書影

立地の科学

– 購買行動を数値化する出店戦略 -

・出版社 : ダイヤモンド社
・ISBN-10 : 4478061459
・ISBN-13 : 978-4478061459
・発刊日 : 2016年06月16日
・著者 : 榎本篤史/楠本貴弘
価格 \1,620 (税抜)

書籍の説明

あなたは次のうち、どちらを選びますか?

(1) 勘や経験だけを頼りに、収益の上がらない不採算店舗
(2) お客様の購買行動を数値化し、関わる全ての人を幸せにする店舗

もしあなたが(1)を選ぶなら、今日ご紹介する書籍は向いていなので、このままページを離れて他の書籍を探してください。しかし、もし(2)を選んだなら、このまま読み進めて下さい。きっとお役に立てます。

着実に成長している企業が必ず実践している真実

あなたは不思議に思ったことはありませんか?

なぜ、成功したチェーン店を分析し、その成功をまとめた書籍はあふれているのに、追随して成功する企業が少ないのか?なぜ、成功した企業の方法を真似ても、思うように成功しないのか?

そもそものビジネスモデルや商品、価格、接客、ITを活用したポイント特典など、成功したチェーンの手法をまとめた書籍は世の中にたくさんあります。経営者が書籍やインタビュー、講演などで直接語りかける場もたくさんあります。

そういった書籍や講演を読んだり聞いたりして、そのまま実践してみても、一向に店舗の売上は上がらない。実は成功した企業の経営者には当たり前に実践していることで、書籍や講演ではあまり口にしない真実があります。その真実を知らずに経営することはできないのですが、彼らはそれを表だって話すことはありません。
なぜか?彼らにとってあまりに当たり前のことだからです。

ある会社が行ったアンケートの結果があります。

お店を選ぶ際、重要視する点は何ですか?

商品ですか?接客ですか?価格ですか?お店の雰囲気ですか?

圧倒的な1位に選ばれたのは『利用に便利な場所にある』です。では、利用に便利な場所にあるとはどういうことなのでしょうか?旅行や特別な日を除いて、人はわざわざ電車やバスを乗り継いで、遠いところまで食事や買い物には行きません。
利用に便利な場所にあるとは『近い』ということです。人はそれぞれ行動の起点を持っています。その多くは自宅や職場です。都市部であれば自宅を出て、最寄りの駅に向かい、電車で移動して会社の最寄りの駅で降りる。色々な人の思惑が重なる『駅』は、色々な人の起点となります。東京をはじめとする大都市部に人が集中するのはなぜでしょうか?ヒト・モノ・カネが集中し、日常生活や経済活動をするのに便利だからです。そうです、人は常に利便性を追い求めているのです。だからこそ、店舗を出店する際には、勘や経験だけでなく、お客様の購買行動を数値化して、立地を科学することは必要なのです。商品や接客、価格やお店の雰囲気は、店舗を出店した後でも変えることはできます。しかし、一度その場所に出店してしまえば、おいそれと他所に移動することはできません。物件の契約期間が満了するまで、不採算続きで、店舗を閉店せざるをえない日まで、その立地に踏みとどまりますか?
立地を科学することで、最大のリスクを回避できます。立地こそが全ての成功の入り口なのです。

ディー・アイ・コンサルタンツが明かす立地の科学

ディー・アイ・コンサルタンツは企業の成長と確実な店舗を実現するための戦略立案支援とその実行を支援するコンサルティングファームです。その特徴として、机上の空論ではなく、実際に店舗を訪問し、現場でしか得ることのできないデータや情報を取得して、売上要因を数値で説明することに日々チャレンジしています。経営層や部門の責任者、現場の担当者を間近で見て、成功する企業とそうでない企業の違いや現実をその目で見続けています。店舗を出店して、実際に結果を出すのはクライアント企業や読者のみなさんです。勘や経験だけを頼りにするのではなく、なぜそうなのかを熟考することによって、店舗の成功を切に願っています。

プロローグ

店舗の売上が悪い──

経営者の方々と議論しているなかで、何度となく耳にする一言だ。
もちろん、新規に出店した店舗の中には、企業の成長に貢献する優秀な店舗も存在する。しかし、経営者の言葉を借りるならば「絶対的に数が足りない」のである。
事業環境が厳しさを増し、またお客様の購買行動の複雑性が増すなかで、企業の成長に貢献する優秀な店舗に対するニーズはかつてなく高まっている。

それでは、優秀な店舗とは何か。単に売上が高いだけでなく、収益性が高く、企業に利益をもたらし、関わる人たちを幸せにする店舗のことである。我々は立地と商圏に着目し、店舗の売上をいかに説明するかを試みている。もちろん、売上を構成する要素は多岐に及び、立地や商圏だけでなく、商品や価格、接客や店舗の雰囲気など、挙げればきりがない。商品や価格、接客は、出店後のトライアンドエラーで徐々にその精度を高めていくことも可能である。しかし、一度その場所に出店してしまえば、おいそれと他所に移動することはできない。だからこそ優秀な店舗を出店するために、立地と商圏を見誤るわけにはいかないのである。

我々は主に飲食店、小売店、各種サービス提供店など、店舗をチェーン展開している企業にコンサルティングサービスを提供している。その中で、飲食店一つを取っても、日本中に約67万店、そこで働く人の数は約440万人にも上る。毎年多くの店舗が出店され、多くの店舗が閉店する。店舗で起こっているお客様の購買行動を数値化し、この事実と論理の積み重ねで、短期間で閉店せざるを得ない店舗を少しでも減らしたい、そんな想いが本書籍のスタートである。店舗を利用するお客様の利便性を高め、そこで働く従業員の幸せを実現するような、強い競争力を持った企業が増えることを望んでやまない。

本書はこれまでの当社の経験をもとに、売れる、売れないにはそれなりの理由があることをまとめたものである。理由があるからには、人に説明ができ、数値に落とし込むことができるということである。

わかりやすくするために、物事をやや単純化している点はあるが、是非今後の店舗経営および日々の仕事に活かして頂けることを願っている。読者の皆様が、お客様の購買行動を数値で捉え、立地を科学することで、企業のパフォーマンスが向上し、また組織で働く一人ひとりの人生充実することのお役に立てれば、これ以上の喜びはない。

目次

序章
すべての立地には売れるためのストーリーがある
顧客の視点で歩けば、売れる立地が見えてくる
非日常だから必要になる日常の店-イベントエリアへ
雑居ビルが密集する学生街、似合うのはやはりラーメン店?
人が大勢いても店の運営・維持が難しいオフィス街

立地の科学・海外版 コラム1
立地の重要性はどの国でも同じ。だが、価値観の違いが如実に
第1章
街ゆく人の無意識を科学する
カンと経験に頼らない、科学的な出店基準の重要性
売上を決める「売上要因」

立地の科学・海外版 コラム2
海外独特の売上要因を早期に把握し、仮説・検証のサイクルで成功をつかむ
第2章
同じ通行量なのに売上に6倍の開き-商圏の質の謎を解け
神田は苦戦、中野は大繁盛の謎を解く
競合するファストフードと地域スーパーマーケット
扱う商品によってはスーパーと相性抜群のファストフードも

立地の科学・海外版 コラム3
日本以上に変化のスピードが速い海外では、柔軟で臨機応変な対応を
第3章
売上2.2倍にしたコンビニの最重要要素とは?
アプローチと視界性の大幅向上で復活
なぜ、標準化されたコンビニで売上に差がつくのか

立地の科学・海外版 コラム4
各チェーンは適切な立地を求め、今も多様な実験を繰り返している
第4章
なぜ田んぼの真ん中で大繁盛-カフェを成功に導いた要素とは
あれだけの顧客はどこから来るのか?
コンビニ跡地で躍進するリラクゼーションチェーン

立地の科学・海外版 コラム5
国特有の移動手段が理解できれば、適切な商圏を把握できる
第5章
読めれば成功、読み違えれば打撃、変幻自在の動線を味方に
はるか先まで畑だけの土地のファストフード店
変化を読み違えれば大打撃となる動線

立地の科学・海外版 コラム6
海外出店で頼りがちな通行量は、数の多さではなく、
なぜ多いのかを把握することが大切
終章
不振店・予算未達店ゼロの予測はこうして実現する
売上を決める売上要因もう一度
自社独特の要素を見つけて売上要因分析を磨く
会社で共有できる、科学的根拠のある出店戦略を

立地の科学・海外版 コラム7
カンや経験に左右されず、数値を軸にした立地選びが、 
海外出店を成功に導く
巻末付録
ラーメンチェーンはどのエリアで成功できるのか──出店シミュレーションの実際
ある地域に大量出店したい──立地戦略にこそ売上要因分析を

著者紹介

株式会社ディー・アイ・コンサルタンツ
客観的なアプローチにより、店舗で生じているお客様の購買行動を分析・数値化することで、出店フローを統合的にデザインし、出店の拡大によって企業の成長に貢献することをミッションにしています。相互尊敬とチームワーク、多様な個性や知見、専門性の融合から生まれる相乗効果を大切にすると共に、クライアント企業との長期的な信頼関係の構築を目指します。
榎本 篤史
(株)ディー・アイ・コンサルタンツ 取締役社長
小売業、外食、サービス業、生活関連サービス、娯楽業など、流通業全般の成長支援プロジェクトに参画。クライアント企業との協働作業により、戦略の立案および実行を支援。
楠本 貴弘
(株)ディー・アイ・コンサルタンツ マネジャー
小売業、外食、サービス業、生活関連サービス業の出店戦略や売上予測の仕組み構築の立案・導入に豊富な経験を持つ。また海外での店舗展開支援に強みを持つ。

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